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vol.50

めざすのは、選択と集中の逆の道。
出羽鶴酒造(秋田清酒株式会社)

出羽鶴酒造(秋田清酒株式会社)

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秋田自動車道・大曲インターを降りて、国道と県道を走ること数十分。静かな山あいの町で、出羽鶴酒造は今日も天高く酒造りの湯煙を上げていました。

蔵の創業者は、伊藤重四郎。17世紀に西国から東北へ渡った庄屋の12代目は、この地で収穫される良質の米と、落ち葉の堆積した土壌が育む"柔らかくなめらかな水"に目をつけました。

「いい米がとれて、いい水がある。加えて寒冷で雪が多い冬場の気候が、雑菌の進入や急激な発酵を抑えてくれる。ここは酒造りに必要な条件が、特別なことをしなくても全て揃う土地なんです」(佐渡製造部長)

近年は純米酒をメインに生産する方針に転換し、特定名称酒比率が約8割で、そのうちの約8割が純米酒。古くからのファンのニーズに応えるため普通酒も製造するものの、消費量の落ち込みから、その割合は年々減少の傾向にあるようです。

最近、日本酒にもテロワールというワイン用語が使われるようになってきましたが、同じ水脈上で育った酒米と水を使い、土地の個性に風味を映し出す出羽鶴酒造の酒造りは、まさしくテロワールを生かしたもの。酒米栽培から蔵の杜氏が指揮を執り、また酒米を育てた農家の多くが冬は蔵に入るのも特徴的で、ワインのドメーヌに通じるものも感じさせます。

「土地の個性を色濃く映した銘柄が、"出羽鶴"と"やまとしずく"ということになります。中でもやまとしずくは、たとえるならトヨタブランドでいうところのレクサスのような位置づけを狙っていて、原料の選別から製造、販路に至るまで、徹底的にこだわり抜いています」(佐渡製造部長)

こうしたテロワールやドメーヌを感じさせる酒造りを続ける一方で、山田錦(兵庫県産)、雄町(岡山県産)、雄山錦(富山県産)、五百万石(石川県産)といった他の地域で栽培された酒米を使ったり、遠心分離器による酒の上槽を試みたりと、自らの意志で"選択と集中の逆を行く"のが出羽鶴酒造の面白いところ。ゆえに現在の年間出荷アイテム数は140〜150にも上り、ファンの間では「どれも試したいけどフォローしきれない!」と悲鳴が上がるほどです。

「県外の酒米を積極的に使う銘柄が、"晴田(せいでん)"です。やまとしずくとは逆のことをやってみよう、というのがコンセプトになっています。始めた理由は、当蔵の技法と他の地域でつくられた酒米が、どんなハーモニーを奏でるか試してみたかったから。ゼロからのスタートには、かなりの苦労が伴いますが、新しい発見に満ちた毎日は楽しいです。これからも、世間にインパクトを与えるようなチャレンジを続けていきたいですね」(佐渡製造部長)

そう言えば秋田県内の酒蔵で、初めて海外への輸出を始めたのも出羽鶴酒造でした。きっとチャレンジ精神が、蔵のDNAとなって代々受け継がれているのでしょう。

安定の出羽鶴、至高のやまとしずくも捨てがたいですが、今宵は革新の晴田を試してみようと思います。

出羽鶴酒造(秋田清酒株式会社)

出羽鶴酒造(秋田清酒株式会社)

秋田県大仙市戸地谷字天ケ沢83-1
TEL:0187-63-1224

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