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vol.33

完熟
生食用ブルーベリー

生食用ブルーベリー特集

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日本海に面し、由利本荘市と隣接した秋田市下浜地区。目の前には雄大な日本海が広がるものの、海面との高低差がある地形のため、少し車を走らせると山に囲まれた田園風景が広がる。今回取材をしたブルーベリー畑は、タヌキやカモシカなどの動物も暮らす森の中にあった。ここでブルーベリー栽培を行う佐藤清太郎さんに、お話を伺ってきた。

「森林の恩恵」を知って欲しい。

佐藤清太郎さんは今年71歳。だが、その所作はもっと若々しく眼に映る。 「毎日、若い人たちと接しているからなぁ」と満面の笑みを見せる清太郎さんは、秋田森の会・風のハーモニー「健康の森」の代表を務めている。 「森とは、人間以外の動物たちも住んでいる場所のこと」と、清太郎さんは教えてくれた。「健康の森」は、そういった森の中で過ごすことで、森からの恩恵を感じて気づいて欲しい。そうすることで、人も森も生き物も健康になると考え、清太郎さん自身が持つ山を解放したものだ。今では県内だけでなく、全国各地から訪れる人がいるという。 平成3年に会を発足した当初は、高齢者の健康をテーマにしていたが、今では子供たちが主役の「森の保育園」として親しまれている。秋田市内の多くの幼稚園・保育園の子供たちが「清太郎さんの森」で遊ぶことを楽しみにしているという。 「森に入るとルールがあるんです。大人たちは子供たちに『危ないからやっちゃだめ』という言葉を掛けてはいけないし、手を差し伸べてもいけない。泣いても転んでも、大人は助けちゃいけない。そうすることで、子供たちはもともと持っている生き抜く力を発揮できるようになるんです。そして、森の中でさまざまな生き物との接し方を覚えたり、危険を回避する術を身につけるようになります」。

ブルーベリー栽培のきっかけは「高齢者のリハビリ」

秋田森の会・風のハーモニーの活動を始めた清太郎さんは、高齢者に向けたリハビリのひとつとして約15年ほど前からブルーベリーの栽培を始めた。
「私自身、もともと農林業に携わっていました。ブルーベリーは小さい実がなるでしょう。それをひとつひとつ、手作業で摘み取らなくてはならない。ということは、手先を動かさなくてはならないんです。昔の田舎の人たちが長生きしていたのは、手先をよく使っていたからです。私は、高齢者が長生きできるためのリハビリの一環として、ブルーベリー栽培を始めたんです。ブルーベリーはもともと温かい地域で栽培されるものでしたが、寒い地域で栽培される品種も生み出されていました。そもそも、秋田は夏の果物が少ない。ブルーベリーの栽培を始めてみようと思ったきっかけは、その2つの理由からです」。
ブルーベリーの畑に足を踏み入れると、とてもふかふかしている。よく見ると杉の木の皮が混ぜられている。それほど背は高くなく、木の幹は細い。実がまるでブドウのように鈴なりになっているのには驚いた。
「15年前からさまざまな品種を植え、試行錯誤を繰り返して、最近は質の良いものができるようになりました。この畑には現在、約20種類ほどのブルーベリーを植えています。早生から晩生まで品種の特性はありますが、シーズンは7月上旬からの約1ヶ月ほど。実際に出荷しているのは、このうち約10品種ほどです。その品種も、花が付いてからは農薬は使わずに育てています。実の表面が白っぽくなっているのが完熟した証拠なんです」。
清太郎さんは完熟ブルーベリーを摘み取り、畑でそのまま食べさせてくれた。プチっと噛んだ瞬間、甘酸っぱさが口いっぱいに広がるが、甘さは十分。品種によってその後味が異なるのがまた面白い。今出荷しているのは、この中でも10品種ほど。約1ヶ月のうち、時期によって異なる味わいを楽しめるのも魅力だ。

3回の選別を経て、出荷される完熟ブルーベリー

収穫はすべて手作業。完熟しているものをひとつひとつ選別し、摘み取っていく。作業は気温の高い昼間を避けて、午前中か夕方に行っているという。
「摘み取ってきたブルーベリーは広げて、風にさらして常温にします。急激に温度を下げるのは傷む原因になるんです。このときに、大きさや形を見て基準に合わないものを取り除きます。常温になった段階でパックに詰めますが、最終的に丸みなどをチェックしています。全部で3回選別作業をしているんです」。
熟す前の状態で出荷することは容易い。だが、森林からの恵みを味わってほしいという想いから、完熟したブルーベリーにこだわって、出荷しているという。完熟したブルーベリーは、そのまま生で食べるのが一番のオススメ。長期で保存する場合は、冷凍保存が適している。
完熟を生食で楽しめる期間は短いが、豊かな森の恵みを受け、じっくりと熟成したブルーベリーの美味しさをぜひ味わってほしい。

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