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vol.28

秋田酒造株式会社
よーいとナ 仕込み体験レポート

秋田酒造株式会社 酔楽天特集

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米と水から造られる、日本酒。素材はシンプルだが、それぞれの個性はまったく異なるのが日本酒の魅力である。「秋田の酒造り」を知るため、秋田空港ターミナルビルのスタッフが、実際に酒の仕込みを初めて体験。その様子をレポートしよう。

1月末。いつもの年ならば、路面は圧雪で覆われ、真っ白い銀世界が広がる秋田市だが、今年は路面のアスファルトが見えて、珍しいくらい雪が少ない。
この日、秋田市新屋にある「秋田酒造株式会社」では、希望者が参加する一般向けの「秋田酒屋唄を飲む会」が開かれていた。この会は、酛仕込みと上槽の工程を参加者が行い、酒造りを体験するというもので今回で22回目を迎える。今回は約50名もの希望者が参加し、早朝から蔵に集まっていた。
まずは、酒の神様として知られる「松尾神社」の参拝から始まる。蔵の中に奉られた松尾様に参加者全員で挨拶。おいしい酒ができるよう、祈りを捧げる。その後、手の消毒を行い、全員が「秋田晴」と記された半纏をまとい、首には豆絞りを巻いて作業がスタートした。

「ぶち桶」にコメを入れ、肩に担ぐ

昔ながらの道具「ぶち桶」にコメを入れ、肩に担ぐ。湯気の立つ蒸米はあっという間に冷える。

もうもうと水蒸気を上げている「甑」

蔵に入って真っ先に目を奪われるのが、もうもうと水蒸気を上げている「甑」。この中でこの日使う酒米が蒸されている。通常のうるち米とは異なり、周りを削られたお米は小さく、蒸し上がりは弾力のある固さだ。蒸米は酛仕込み用と留麹用、初添と仲添の仕込み用にそれぞれ使い分ける。まずは、酛仕込み用の酒米を「ぶち桶」と呼ばれる桶に入れて、肩に担いで運び、ムシロの上に広げる。運ぶ人とムシロの上で広げる人に分かれ、素早く温かい蒸米の温度を下げる。冷まされた米を酛仕込み用のタンクに次々と入れて いく。まさに、酒米と水から造られていることを体感できるわけだ。
次の工程では、大きな放冷機が登場。甑からスコップで蒸米を放冷機に入れ、少しずつ冷まされた酒米に、杜氏が酵母を振りかける。酵母がまんべんなく蒸米にくっつくように、手で広げながら作業が進む。放冷機から送り出されたコメを順繰りに麹室に運び込む。

酵母を振りかける

酵母を振りかけるのは加藤杜氏の仕事だ。

次第に慣れていくスタッフ

始めはぎこちなかった手つきも、次第に慣れていくスタッフたち。

初添仕込み用にまた異なる蔵に酒米を運ぶ

その後、初添仕込み用にまた異なる蔵に酒米を運ぶ。タンクに櫂を入れて、運び込んだ酒米を入れる。次は仲添仕込みとなり、大きなタンクが並ぶ蔵へ。酒米を冷ます手つきも、運ぶ姿も次第に様になっていく参加者たち。「酒造り」の一部を体感できる喜びと楽しさで、みな表情は明るい。

全ての蒸米を運び終え、酛仕込みの作業は終了。約2か月後には、再びこの日の参加者が集い、醪を上槽し、瓶詰めが行われる予定だ。

思わず笑顔に

杜氏や蔵人も、思わず笑顔に。

「お疲れ様です」という蔵人の声に、自然と拍手が沸き起こった。蔵の杜氏である加藤貢さんがモットーに掲げているのが「和醸」という言葉。「良い酒になりますように」という願いを込めて、酒を育てている加藤貢杜氏の酒に対する情熱が、周囲の蔵人に伝わり『和醸』の酒ができ上がる。この日の酒造りも、まさに『和醸』。多くの人たちの和が酒を醸す。大人数で仕込まれたこの日の酒は、きっと独特の味わいを纏うことだろう。

この日仕込みを体験した酒蔵
秋田酒造株式会社 代表銘柄 大吟醸『酔楽天』

秋田市新屋にある秋田酒造株式会社は、昭和44年に株式会社高九酒造店と國萬歳酒造株式会社との企業合同により設立された。高久酒造店は「かぎいち」の屋号で米穀商、質屋を営み、後に醤油、味噌および酢の醸造を始めた。
その後大正9年に酒造業に取り組んだのが酒造りの始まりだ。また、國萬歳酒造は明治41年に二百石の製造免許を許可され、創業したのが始まり。それぞれ高九酒造店は「宝生」、國萬歳は「國萬歳」というお酒が主要銘柄であった。

秋田市新屋は、秋田地酒の発祥の地である。日本海岸の砂丘地にあり、良質で豊富な湧水が随所にある。また、一級河川の雄物川口に近い船着き場であり、上流の酒米を仕入れることが可能であったことも、酒造りの地として栄えた要因でもある。

代表取締役の野本翔氏に、秋田酒造のこだわりについて伺った。
「私たちは古式手作りを基本とし、和釜、甑、麹蓋による麹造り、醪は低温長期発酵させる昔ながらの手造りにこだわっています。それと同時に、最新技術の良いところもうまく調和させながら取り入れ、進化を怠らない酒造りに努めております。
敷地内から湧き出る清冽な天然水は、秋田では珍しい硬水で、ミネラルが豊富です。約7年程前からプラントを設置し、より酒造り向きに変えて仕込み水として使用しております。杜氏の加藤を中心に、人の和を大切に、そして代々受け継ぐ確固たる酒造りの技と心を大切にした酒造りを行っています」。

秋田酒造株式会社

秋田酒造株式会社

秋田市新屋元町23−28
TEL:018-828-1311 / FAX:018-828-1318

http://www.akitabare.jp/

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