樺細工特集

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秋田県内陸中央部に位置する仙北市角館町。

「みちのくの小京都」と称され、武家屋敷が建ち並ぶ情緒溢れる町です。
春には枝垂れ桜が咲き乱れ、全国から多くの観光客が訪れる人気スポットです。
この角館に伝わる伝統工芸品、それが「樺細工」(桜皮細工とも書きます)。
伝統工芸師として認定された職人の技が光る、まさに逸品です。
今回は、この樺細工をご紹介しましょう。

角館町

樺細工とは?

山桜(主に桜の木の皮)を加工して作ります。茶筒をはじめさまざまな箱物にこの技法が使われています。使用する皮によって色や模様が異なるため、これを見事に使い分け、デザイン性を持たせるのが樺細工の特徴です。
桜の皮は、表面のざらつきを削ると微妙に色が異なります。黒っぽい色、赤っぽい色、薄めの色。さらに、その模様もさまざまです。
また、これを磨き上げることで柔らかな光沢を放ち、素朴な手触りを生み出されます。角館にこの技法が伝わったのは、今から約200年前。当時は下級武士の手内職でしたが、藩主の手厚い保護を受け、現在まで受け継がれてきたのです。

なぜ「桜の皮」なのに「樺(かば)」と呼ばれる?

万葉集にある山部赤人の長歌のなかで、山桜のことを「かには(迦仁波)」と表現している部分があります。それが後に「かば(樺)」に転化したものと考えられています。「樺」とは山桜のことを指しているのです。

● 樺細工には作り方により、3つの種類があります。

01 型もの 02 木地もの 03 たたみもの

仕込みものとも呼ばれ、木型に合わせて芯になる材料を作り、その上に樺を貼付けて筒状のものを作る技法。主な製品として、古くは刻みたばこを入れる「胴乱」や印籠などがある。現在は茶筒が主流。

下地に木地を使ったものの総称。主に箱型のもの。打ちばり下板で箱を作り、さらに表張りをするもので、樺による模様つけもこの木地ものに多く見られる技術。文箱、硯箱、宝石箱や大型のテーブル、茶箪笥などもこの分野である。

樺を何枚も重ね合わせて数センチの厚さにすることを「たたむ」と表現する。現在はアクセサリー類に使用されている。重ね合わせることで美しい断面が作られ、本来樺が持つ光沢を極限まで磨く。細かい手仕事が必要とされる。

どうやって作るのでしょう?(型ものの作り方)

今回は茶筒を作る工程の一部を紹介します。樺細工の作り方は、必要な部材ごとに作り、最後に組み立てるという方法。工程の全てをひとりの職人が行うという特徴があります。

01 桜の皮(樺)を選ぶ

01 桜の皮(樺)を選ぶ

まずは使う樺を決めます。樺を選ぶということは、そこで作るものの色や模様を決めるということ。桜の木のある場所の環境や樹齢によっても、樺の模様がさまざまです。この樺の見極めには10年以上の経験が必要です。樺を決めたら、専用の包丁で削ります。それにより、樺の色が浮かび上がり、光沢が出てきます。

02 切って型に巻き付ける

必要な大きさに切り、型に巻き付けて形を作っていきます。同じ樺から作るので、張り合わせの始まりの位置を同じくしていくなど、繊細な作業が必要とされます。

03 接着する

03 接着する

経木とよばれる下地に樺を張り合わせます。この下地は白い木を薄く切ったもの(サワクルミという柳の一種)を使用します。膠(にかわ)をあたためて塗り、乾かします。その後、少し温めてから水分を付けて重ね、熱したコテで接着します。

04 組み合わせる

すべてのパーツを作り、トクサと呼ばれる植物の皮で磨きます。磨くことで本来の桜の皮の光沢が出てくるのです。パーツを組み立てると、最後にワックスを掛けて完成。塗料などは塗らず、あくまでも桜の皮の光沢が活かされた樺細工が出来上がります。

樺細工はとても実用的!

樺細工はとても実用的!

木をくりぬいて作る物とは異なり、強度があるため、たとえ落としても割れません。また、湿気から守る性質があることから、古くは薬や刻みたばこを入れていました。さらに、軽いので持ち運びにも便利です。そして近年では「抗菌作用」があることも判明しました。これだけの性能を持っているからこそ、永く使い続けられ、今もなお重宝されているといえます。樺細工は、その芸術性だけでなく、実用性も兼ね備えた伝統工芸品なのです。

■ 今回「樺細工」の取材に協力してくださったお店

合資会社 経徳製作所

合資会社 経徳製作所

創業明治36年。品質の良さを大切に、樺細工の製造販売・卸を行っている。2013年に現代の名工として認定された伝統工芸師・経徳明夫氏が在籍。独自の発案で、樺細工としては画期的な耐熱・耐水性に優れた食器類などを製造。伝統を守りながらも、現代のライフスタイルに合った商品作りを行っている。

秋田県仙北市角館町上野168 -1
TEL 0187-54-1329 FAX0187-54-1555

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